全国6都市で公演されたACIDMAN LIVE TOUR "ANTHOLOGY"が、6/12(木)ZEPP東京にてファイナルを迎えた。
ファン投票によって選ばれたACIDMANの楽曲ー上位30曲の中からセットリストが組まれるといった、ステージもファンも一体となれるツアー。そのファイナルが、梅雨空の小雨の止んだ午後7時過ぎ、お台場ZEPP東京でスタートした。
ソールドアウトの会場内は、本番スタート前から熱気に溢れ、SEと同時に発生した狂喜乱舞の歓声と共に一気に全開。この瞬間から、ACIDMANの真骨頂とも云える、とても3人とは思えない音圧とグルーヴが織りなすサウンド空間が会場を埋め尽くす。オーディエンス・セレクトによる楽曲ゆえに、時には激しく疾走するビートに、時には哀しくせつないメロウなトーンに、会場のテンションも常に最高潮の状態。
曲間に時折入るメンバーによるMCでも、ステージとオーディンエンスの距離は常に短く、大規模な会場では体感できない塊感が、一層サウンドをソリッドにしていきながら、ACIDMANの楽曲が持つ独特の世界観と音空間が、会場の隅々に至るまで隙間なく埋め尽くされていく。
この音空間に身を委ね、その深層世界に引き込まれる魅力は、彼らのスピリッツとプレイが創り出す空間そのものが、人間の深いところに起因するからであろう。
この場の空気は、大木伸夫が曲間で語る言葉や曲の中で紡ぐ言霊と共に、人間の生命の持つ普遍性や意味に深く斬り込み、音楽の存在意義と表現する事の純粋さを感じさせつつ、心の奥深くにしっかりと染み込んでいく。
後半に近いMCで、大木伸夫は「少し恥ずかしいが」と前置きをして、こう続けた...
「愛、平和、人生、そういった本当に大切なものに感謝をし、一瞬一瞬をしっかりと歩もう」と。この世界に最も必要な答えを、彼らの音世界は常に紡ぎ続けている。